やっていました。FINAL FANTASY XVIを……
総評としてはタイトルの通り序盤は正直面白くなかったけど後半に行くほどできることが大幅に増えてしっかり面白くなりましたよ、という感じ。映像や音楽は言うまでもなく良いしキャラクター達も物語を通して結構好きになれた。召喚獣バトルは演出優先のQTE多めバトルだが持ち前の映像力で押し切ってくれるので気持ち良く遊べたからいいんじゃないかな。全人類絶対やれ超神ゲーとまでは行かないけど興味がある人は普通にやっていいと思います。
細かい話は以下。ネタバレあり。
映像・音楽・UI
映像・音楽ともにファイナルファンタジーやってるだけあってとても良い。
Youtube等で公開されてる「Find the Flame」はゲームで流れた時に一発で頭に入ったカッチョイイ曲だ。他にもリスキーモブ戦などのいかにもなFFバトル曲もテンションが上がるし、町やフィールドの曲もいい感じに気分を盛り上げてくれる。
去年Tales of Ariseを遊んだ時はキャラクターの服の質感や皮や金属がしっかり表現されていることに驚いたが、FF16もその水準でリアル寄りの映像が表現できている。
UIはこうした映像の良さを邪魔しないように情報を絞っており、中でもミニマップの不在は賛否あるところだが、かつてFF12をやった時に当時としては高水準なグラフィックをロクに見ずにミニマップばかり眺めてプレイしてた記憶を持つ身としては大いに賛意を示したい。
一方で明確にUIで良くなかったポイントが一つだけあって、それはバトル中の画面右下のアビリティ表示だ。下記の通りPS5コントローラーの4キーに割り当てる形で表示させているのだが、なんと二つの操作タイプのどちらを選んでもこの表示なのである。操作タイプ1では□が攻撃で△が魔法となりUIと一致するが操作タイプ2ではR1が攻撃でR2が魔法なのでこのUI表示は何の意味もなく混乱を招くだけである。操作設定をカスタムできるならともかくプリセット二種なら選んだ操作タイプに合わせてここの表示は変えて欲しかった。
まあ操作タイプ1であればこんな不満もないし、普通に快適で質の高い映像に集中できる良いUIだったと思う。
物語とキャラクター
物語は無難にファイナルファンタジーをやっており、一時期と比べて筋書きもわかりやすくさっぱりしている。序盤はダークな世界観でエロもグロも思い切ってやってた割になんやかんや主人公周りはいつも通りだなとか若干グロ表現滑ってねえかとか対象年齢を上げようとしてちょっと失敗したようにも見えるし、終盤ラスボスの存在について多少疑問も出てくるが、まあ勢いで流しちゃっていいところだろう。
キャラクターの話をするとクライヴやジョシュアなどイケメンだけではなくガブやオットーにバイロン叔父さん、鍛冶屋のブラックソーンやブラックソーンが大好きすぎる男オーガストなど男性キャラクターは登場から仲間として絆を深めていく過程まで映像演出と声優の名演によって魅力的に書かれている一方で、女性キャラクターの影はやや薄く感じた。特にヒロインのジルが顕著で物語序盤から最後まで登場している割に人となりに関わるエピソードに乏しく、鉄王国でスポットライトが当たった時さえ持て余してる感じがあった。あと出自や力を得た経緯がふんわりし過ぎだと思う。ふんわり具合ならトルガルも大概だけどトルガルはいいんだよ、かわいいから……ミドもめちゃくちゃかわいいから存在するだけでアドです。
あといつも隣に立ってるクライヴの大胸筋がムチムチし過ぎていて不必要にヒロインポイントを奪っていた疑惑があります。
バトルシステム
FF16のバトルの構成は下のようになっている。
- 通常攻撃の威力は低く、アビリティの威力は高いがリキャストが長い
- ウィルゲージがある敵はひるまないし堅いがウィルゲージを削り切るとダウンして殴り放題、ダウン中はボコる事で最大1.5倍の補正が乗る
ボスは基本的にウィルゲージ持ちなので攻略手順は①通常攻撃を中心にウィルを削る②ブレイクしたらアビリティを使って大ダメージを取る③ブレイクが終わり再びウィル削りに戻る…を繰り返す形になる。アビリティのリキャの関係で1ブレイク中に与えられるダメージには明確な限度があり、それでRPG的に敵のHPを管理しているのはアクションゲームとRPGの折衷案として良いデザインに思える。召喚獣が3枠搭載可能になってダメージ用アビリティ以外にウィル削りや雑魚散らし用のアビリティも選ぶ余地が産まれてからはアビリティのチョイスも楽しみの一つだった。
逆に召喚獣が少ない序盤は行動に大きく制限がかかり、ダメージの安い通常攻撃一本で戦うしかなくダウンさせてもアビリティをチョロっと撃って終わり、アビリティ選択の余地もあまりないという退屈な仕上がりで、特にウィルのない雑魚戦では吹っ飛ばす→追いかけてダウン追撃を繰り返すばかりになり見た目が最悪だった。魔法攻撃も多少の用途はあるもののどの召喚獣でも出る弾は同じで属性の概念もなく、道中物理を弾くプロテスを張る敵も出てきたが数えるほどしか出てこないのでいまいち存在感を出せていなかったように感じる。前述のアビリティに依存したゲームデザインが通常攻撃の存在感を薄れさせ、魔法攻撃の安さや空中攻撃の取り回しの悪さなども相まってアビリティのない序盤の印象を悪くしていた。
そんなゲームデザインなのでボス戦ではダウンするまではどちらかというと耐える時間なのだが回避周りはゆるめの判定で気持ち良く避けられるようになっており、ここはアクションゲーム的な良さを感じられた。ジャスト回避のディレイ演出と専用反撃、召喚獣の専用アクション(フィート)を使ったガードやメリット付きの回避行動など意図的に防御回りのシステムは充実させていたように見える。選択肢が増えるにつれてこいつは攻撃を見切りやすいからタイタンでガードを狙おうとか、こいつは回避に専念する時間が長いからバハムートのメガフレアを溜めようとか、このあたりも召喚獣が増えるにつれて面白さが大きくアップしていった。
回避の話をもう一つすると物語中盤ごろに手に入るバーサーカーリングは装備するとジャスト回避のメリットが大幅に増大しつつアクションも変わり専用演出も入るという破格の面白さが得られるアクセサリーだが、他のアクセサリーがアビリティのリキャストが数パーセント早くなります…みたいなしょぼい内容に比べてバーサーカーリングだけ顕著に強くて面白いので、これにアクセ枠を割かずに物語の進捗に合わせてクライヴに標準搭載して良かったんじゃないかと思った。
召喚獣バトル
召喚獣バトルはめちゃくちゃ演出面に寄っており、ゲーム的な攻略はほぼ存在しない。合間合間に挟まるゆるいQTEを消化しつつ、クライヴと似た操作感のイフリートで戦うだけと言えばそれだけだ。ただ上述の音楽・映像の強さやイフリートになってる時だけ1.5倍テンションが高いクライヴがノリノリで戦ってくれるので気持ち良く勢いに流されることができる。個人的にはタイタン戦が特に高いテンションで最後まで駆け抜けてくれる楽しいバトルだった。テンションが高すぎてベヨネッタに片足突っ込んでた気がするが、クライヴも胸元がセクシーで全裸も晒すし近接攻撃から派生で遠距離攻撃が出るので実質ベヨネッタだったかもしれない。たまに時間も遅くなるしな。
QTEはミスったら即死とかやたら難しいとかは一切ない気分を盛り上げるためだけのものなのでストレスになることはないが、敵の攻撃!QTEで回避ボタン押せ!成功!からの反撃!ダメージを与えた!みたいな演出がいくつかありそこは反撃するところでボタン押させろよ!!と思った。ボタンを押す→結果が表示されるという赤ちゃんでもわかる原始的な喜びを軽視しないで欲しい。あと映像では殴ったり殴られたりしてる時にHPが減る演出が入ったり入らなかったりするのも気に入らない。映像に寄りすぎてゲームを軽視する悪癖がまだ少しだけ残ってるぞ!!
まとめ
結構文句も出たけどたまにはFFやってみっかな~という物見遊山のような姿勢でプレイした割にはがっつり楽しめたしキャラクターも好きになれた。FFシリーズが好きなら確実に面白いだろうしそうでなくとも流石老舗タイトルだなと思わせるぐらいのパワーはあったと思う。