kakaku01の日記

サラリーマン。文体はノリで変わります。

ゲーム感想文:ARMORED CORE VI 面白さに繋がらない難しさ

※2023/09/12追記

2023/09/11にアップデートパッチが配信されてゲームバランスが変更されたり知らない人が多すぎるターゲットアシストの仕様が公式サイトで説明されるようになりました。本記事はそれ以前の時期にキレた感想なので、今読んでも現在のゲームプレイとは一致しない可能性があります。

 

やりました。ARMORED CORE™ VI FIRES OF RUBICON™を……

www.armoredcore.net

 

およそ10年ぶりとなるアーマード・コアシリーズの最新作。個人的にもアーマード・コアは2からⅤまでそこそこ長く付き合ってきたシリーズなので思い入れはあり、発売から二日間わーっと遊んでとりあえず一周したので感想をしたためます。

先に言っておくと割とキレ散らかしているので本作を楽しんでいる人の気分を害してしまう可能性があります。でもインターネットでいくらバズってるタイトルでも、自分がプレイ中に感じた気持ちには嘘をつきたくないから――――

 

 

映像・UI

映像周りはフロムソフトウェアらしく高水準。過去作と比べると画面が明るくなって視認性がめちゃくちゃ良くなった気がする。エフェクトも美しく派手で気持ち良くブレードやキャノンをぶっぱなすことができる。ゲームが忙しいのであんまり目を向けることもないが、探索ミッションなどでゆっくりマップや背景を味わうのも楽しい。

UIはイマドキのシンプルUIで画面を極力邪魔しないように作られているが、一方でコンパクトにされているがゆえに表示内容を理解してかつ戦いながら情報を処理するのは結構な慣れが要求される。あと武器の総弾数が分離されて右下に追いやられているのも結構困る。とはいえ、ACは情報量が多いゲームであるにも関わらずロックカーソルの円一つで大量の情報をまとめ上げているのは美しい。

この円形のターゲットマーカーでターゲットアシスト状態の有無と敵の耐久とACSダメージと右手・右肩・左手・左肩武器の弾数・リロード状況が表示されている。

 

バトルシステム

黄色のゲージが溜まるとスタッガーを起こし、大ダメージのチャンスとなる。

Ⅳ・Ⅴで変わり続けたゲームシステムだが、新たなナンバリングであるⅥも大きく変わっている。本作のシステムの根幹は何はともあれ衝撃力の高い武器で殴りまわしてACSダメージを蓄積させよろめかせるスタッガーで、このシステムの存在が従来の、悪い言い方をすれば漫然と食らいながら弾を撃ちこみ続けるゲームデザインから明確な攻撃チャンスのあるメリハリの効いた戦闘にゲームを変化させている。

この仕組みに沿うようにミサイルを除くあらゆる武器は近めの間合いで機能するように作られ、遠間からの射撃は跳弾システムで距離減衰以上のダメージの低下をもたらし、接近に困らないようにアサルトブーストという仕組みも用意されている(アサルトブースト中にACSダメージが増加する仕様はこの思想がよく反映されている)。過去シリーズでは定番だったスナイパーライフルやⅣ・Ⅴで活躍したスナイパーキャノンが存在しないことも今作が接近戦寄りのゲームデザインであることを暗に示しているだろう。

プレイヤー上記のゲームデザインを理解するにつれてAC6が何をするゲームなのか気付いていく。つまり接近してショットガンやブレード、あるいはバズーカやグレネードの衝撃力の高い武器を叩き込んでスタッガーを引き起こすゲームなのだと。

不十分なチュートリアルと、無意味な初狩りボス

そろそろ……いいっすか?

先に言っておくと上記のゲームシステムに大した不満はない。スナイパーごっこをやる選択肢が減ったことは少し悲しいが、ショットガンで叩き割ってよろめいた相手にブレードをぶつけるのも楽しいものだ。相手のスタッガーを狙い、また自分がスタッガーを起こさないよう立ち回る対戦も、きっと面白いだろう。

問題は、それらの説明はロクにされないし、気づくような明確な導線もないのに、気づかなければ一生地を這うことだ。

まずこのゲームの初期機体は右手にライフル、左手にブレード、右肩にミサイルを背負った状態で始まる。スタッガーの仕組みと各武装の性能が分かっていればこの機体の使い方はわかる――とにかく近づいてブレードをめいっぱい叩き込んでスタッガーを起こして撃ちまくるのだ。しかし最初のチュートリアルミッションではそんな事は何も説明されない。せいぜいスタッガーっていうのがありますよ、とTipsが一つ出るだけだ。道中のMTもAC恒例の雑魚で適当に弾を撃っていれば倒せるもので、何も知らないプレイヤーは順調にIDを集め、最後に拾った場所でボスのヘリコプターと出会い、飛んでいる相手だからと真面目にライフルとミサイルを撃って、スタッガーを引き起こせず磨り潰されるように負ける。その後何度も負けながらいつかブレードでぶん殴ることに気付くか、わけもわからず色々やった結果として倒すことになる。

これは強敵と闘う時によくある普通のトライ&エラーのように見えるだろうが、実際は違う。攻略にあたりヘリの行動パターンを学習する必要は大してないからだ。ここで学ぶのは言われれば理解できるような基本的な仕様の話であり、ハンドラー・ウォルターが「アサルトブーストで近づいてブレードで斬ってスタッガーを狙え」とでも言ってくれれば勝てるような相手に初狩り行為を受けているだけに過ぎない。これ以外にもターゲットアシストは相手がどんな機動をしてもロックし続けるとか、ただし右スティックをちょっとでも触ると解除されるとか、アサルトブースト中は□ではなく左スティックの左右操作でABを維持したままQBするとか、上記ターゲットアシストとアサルトブーストを併用すると高機動なボスでも簡単に追えるとか、言われればわかることを教えられてないがゆえに無駄に苦労することになる。

上昇回避も大事だけど、それより遥かに大事なことがあるだろ。

ちなみにこのヘリはプレイヤーの行動範囲外に飛び出すことがあり、その間はブレード攻撃が不可能になる。これでブレードは無理なんだなと誤った学習をすると更に負ける。細かいところまで初狩りに特化したチュートリアルボスである。

 

死にゲーに最適化されていない死にゲー

上記のような不親切さを抜きにしても、本作のボスはシリーズの中でも相当に強く調整されている。中でもチャプター1のバルテウスは最たるもので、現時点のPS5のトロフィー獲得状況を見るとバルテウス撃破を境に達成率が25%ほどガクっと下がっている。自分もこいつには負けまくったが、その過程は相当に腹を立てた。

ボスが強いなんて当然だし、デモンズorダークソウルシリーズやブラッドボーン、エルデンリングだって強いボスに何度もチャレンジするじゃないかと思うかもしれない。しかし本作はそれらのシリーズと違ってゲームデザインも、それを支えるナラティブも敗北と再トライを促進するいわゆる「死にゲー」の文脈を持っていない。

6に限らずアーマードコアの攻防は良くも悪くも大味で、ソウルのような「このタイミングで攻撃しちゃったから回避できなくてやられた、次は我慢しよう」といった敗因分析がやりづらい。多少の被弾を許容するデザインであるゆえに明確な反省点が見つけづらいし、アセンブルに問題があるのか動きに問題があるのかの切り分けも困難だし、常に銃を撃ちながら動き回れるし相手も撃ってくるからじっくり相手の動きを観察するという状態も起きづらい。今までのアーマード・コアは、一部の強烈なボスを除き難易度が高くはなかったからこれらの欠点は目立たなかったが、本作は難易度上昇によってかなり悪目立ちしている。「何をどうすりゃいいんだよ」という状態で延々リトライしているとウンザリしてくるし、更にその答えが「ターゲットアシストをONにしたら右スティックに触れないこと。どこにも書いてないけど。」とかだった時の腹立たしさはすさまじい。

ナラティブに関しては言うまでもないが621は死んでも蘇らないということと、このゲームは狭間の地で導きに従って出たとこ勝負で彷徨うのではなくブリーフィングをして準備してから作戦行動を開始するゲームで、本来トライ&エラーは善後策だということ。ジャガーノートがどんな機体がぐらい先に言え。

そもそもボクのつくった最強のACで気持ち良くなるゲームに、根本からアセンブルを妥協させるような強ボスは1つか2つ程度でいい。ナインボール・セラフやジナイーダは最後に待ち受けてるから何度もトライする気になったんだろ。序盤から何度も出してくんな(同じ理屈で6のラスボスにはあまり腹が立たなかった)。

こいつはムカつきすぎてクリア後に初期アセンでお礼参りした。二度と逆らうなよ。

 

AC以外のロボットだけが気持ち良くなってる

もう相当キレ散らかしたけどもう一個だけ!もう一個だけ文句言わせて!!

こんな感じで不愉快な難しさにイライラしてる時にそれを逆撫でしてきたのが惑星閉鎖機構のLCだのHCだの言う奴らで、見ての通りACと同じ人型起動兵器なんだけどボス/準ボス格でACには使えないでっけえビームソードとか振り回してきて普通に強い。しかもそのでっけえビームソードで突撃してこっちのAC串刺しにする専用演出とかやってくる。このゲームはアーマード・コアなんだが?なんでACでもなければラスボス級の正体不明の無人機とかでもない奴がイケメン必殺技で気持ち良くなってるわけ?なんかACより2まわり以上デカい奴とかもいるし、狭間の地かな?

敵ACと戦って負けたら(そもそも今作の敵ACはあんまり強くないんだが…)お互い同条件で負けたから仕方ないというか、何ならむしろそんな武器があったのか!俺も見つけたら使ってみよ!とか気付きも得られて結構面白く戦えたが、こいつらは負ける度にあ~ハイハイかっこいいね~良かったね~という気持ちになった。こんなのあるならAC乗りの傭兵とかいらねえじゃん。

ACより強い有人人型ロボがわらわら出てきて自らの存在意義を失う

 

新作を祝福したいがブチギレた自分は否定できない

そういうわけでかなり不満がいっぱいある感想になりました。別にそういう気持ちで挑んだわけでもないのだけどヘリコプターからずっとキレてて、新しいボス!新しい不快感!みたいな状態だったんでとっととクリアして書き散らかしてやるぞと思いながらやっていました。あとボスに勝てなくて泣いてる人に「これが"FROM SOFTWARE"の"ARMORED CORE"だ(ニチャア」みたいな事言う奴が出てくる前にアーマード・コアはこんな難しいゲームじゃないし何よりクリアできない理由の50%ぐらいはゲーム側の説明不足のせいだよと言いたかった。

キレてキレてキレながらクリアしてゲームシステムを一通り把握し切った状態で2周目を始めると本来はこうやって攻略する相手だったんだなと気付くものも多く、色々見えてくるものはあったんですがそれはそれとしてキレた気持ちは本物なのでクリア直後の感想文としてはどうしても否に寄ってしまったかなという感じです。

特に言及してなかったけどボス機体が出てきてない時とAC戦は従来のシリーズ通りに面白いので、まあホントボス戦だけでガクっと評価落ちましたね。ソウルライクにしないってインタビューで言ってたけど中途半端にソウルの血が入って不協和音を起こした感じがします。この路線でやりたいならいっそのこともっとソウルの血を入れるか、全部抜いて元のアーマード・コアに戻すかどっちかに寄せて欲しいと思いました。

再教育が必要なのは俺かお前か

 

 

 

 

2023/09/03追記(割と後半のネタバレを含む)

この記事が思った以上にバズってしまい、少し驚きつつも意外と「わかる~」とか「ターゲットアシスト知らんかった」というリアクションが多く、二日でキレて書いた感想文の割には共感が得られたなと思っています。特にターゲットアシストは知らないと非常に困るけど視点操作すると即外れる奇妙な操作性についてオンラインマニュアル含め一切説明がないので、当記事で先に知る事ができた人が居るならバズった甲斐もあるというものです。

 

 

 

ま…んなこたどうでもいいんですわ。

 

俺はその後三周目まで終わらせる過程で出会ったこいつの話がしたいんすわ。

 

アーキバス…バルテウス……?

お前この前二度と逆らうなって言ったよな?

これ

初期アセンでお礼参りした奴に後から強化版出てきたら雰囲気的にそっちもやらなきゃいけねぇじゃねえか!本当に二度目があるやつがいるか!!

二度も出てきてんじゃねえ!!!

というわけで残ったログやパーツ集めもほったらかしてずっとこいつと初期アセンで遊んでいました。蹴りが楽しいのでOSは縛ってないです。

武装や外装よりジェネレーターとブースターの貧弱さが一番きつい

勝ち筋を理解する(あるいはインターネットで学習する)と後半に行くほどに強い武装が充実してパワーで全てを解決できるので曖昧な挙動で勝ててしまう本作ですが、自機の攻撃力を雑魚にして相手に力負けする構成にすると真面目にボスの挙動に回答を持つ必要があり、かなりソウルっぽくなります(ぽくなるだけでノーモーションでパルスガンを超連射してくる時もあります)。

 

円軌道で動きながらビーム二連射→電撃風射撃連射はワンセットの行動

ビームは警告音つきなのでQBで避ける

電撃みたいな射撃攻撃はアホみたいに偏差射撃してくるので切り返して小ジャンプで全回避可能

後半の発狂は上下動を絶やさず必要に応じてQB

ライフルは豆鉄砲なのでとにかくパルスブレードを当てる

割れたらとにかくABで蹴っ飛ばすが、武装がアレで与えられるダメージには限界がある。

大きく移動してからの扇状パルス弾は上昇で避けるが、足回りが貧弱なので早めに飛ばないと避けられない。

ミサイルは序盤に少し温存しておくと後半で助かる

ブーストを使い切っているが…

やはり小ジャンプ一回で回避可能

こんだけ撃ち込んでも弾が余ってるライフルの性能について思いをはせる

二度と逆らうなよ

DLCにも出てくるなよ