kakaku01の日記

サラリーマン。文体はノリで変わります。

不便で高いシステムを導入しよう。

今日はボンクラ社内SEの観点から適当言う。間違ってたらグーで殴ってください。

 
 
 
 
Excelはすごい。表計算はもちろん帳票だって作れるし業務日報だって書けるし方眼紙替わりにもなる。しかもマクロも組めばちょっとしたシステムになる。少しVBを勉強すればボタン一つで共有フォルダにあるcsvを読み込んで統合して計算してグラフにして帳票にしてくれる。しかも安いというか、どのみちExcelは必要なソフトであると考えるとそれ専用のシステムと比較すればタダとも言える。Excel最強。
とはいえ便利だからってあんまりExcelに頼りすぎると、その便利さやコストの低さが起因して色々困ったことになったりする。特にデカイ仕組みをExcelでやるのはお勧めできない。パッと思いついた範囲で以下に困ることを書く。
 
 

なんでも出来るから困る。

出来ることが増えれば増えるほど、ヒューマンエラーの発生率は上がる。csvをExcelで開いて上書きしたら頭の0が消えただの、逆に文字列にしたせいで計算結果がエラーだの、吐き出し先のフォルダを間違えてエライことになっただの、事前の作業に漏れがあって処理がループしただの、やれることがいっぱいあるだけにミスの土壌もいっぱいある。用途が絞られた専用のシステムは、その分できることが少なく、ミスも起き難い。要件を満たせるならできることは少ない方がいい。
 

人が変わると困る。

なんでも出来るので皆好き好きに作る。その結果部署ごと、支店ごとにバラバラの、しかもどうでもいい違いしかない帳票がどんどん生まれる。異動するごとに業務が変わったり読む帳票が変わったりすることに喜びを感じる人以外、おすすめできない。
そして人はいずれ辞める。作った人間不在、サポートなしの仕組みを誰がメンテするのか。結果「なんだかよくわからないけどこのボタン押したら帳票できるよ」というおぞましい事態が発生する。
 

システムの移行で困る。

Excelも古くなるとサポートの対象外になり新しいExcelが必要になる。Windows7などのOSの都合で移行せざるを得ないこともある。そしてMicrosoftはExcelの動作そのものはサポートの範囲内(ということになっている)が、Excelで作ったものに関しては何もしてくれない。ので、Excelで巨大なシステムを作れば作るほど、Excelのverupに伴う仕様変更の煽りを受け、社内の人間で対応しなければならないし、前述のように開発した人間が居なくなっていると目も当てられない。その上その移行について誰も動作を保障してくれない。
 

タダだから困る。

タダより高い物は無いとはよく言ったもので、金を払っていないことによるリスクというものは確かに存在する。社内でちょっとシステムを作らせて、やったー動いたー人件費だけで実質タダみたいなもんだーワーイと言うのは間違ってはいないが、トラブった時に話は変わってくる。
仮に重大な欠陥によりシステムが停止し企業に多大な損害が出たとする。その時社内の人間を使ってしくじれば、それは企業の自己責任になりその損害を弁償してくれる人間はいない。金を払って他社に契約書にサインさせておけば、最悪損害賠償を請求することだってできるし、そもそもそうならないために向こうも全力で働いてくれる。(次の仕事来なくなるし。)
 
 
色々挙げてみたが、要するに、なんでも出来るのがいい事とは限らないよって話とシステムの動作について保障してくれる他社が存在しないのは結構なリスクだよって話です。
もちろん業績に大きく関わるようなものでないものや、小規模な仕組みならExcelで十分だし、社内に大規模なシステム部門があるなら巨大なシステムを抱えてしまってもいいだろう。そのへんのBCP?的なリスクとコストの兼ね合いについては企業によりけりで正解はないし、いわゆる経営判断というヤツになると思う。
 
あと、システム入れるなら業務も見直してくれるとうれしいかなって…Excelならちょっとした例外もチョイチョイと手で直すだろうけど、カッチリシステム化するならその分例外処理が増えてお金が掛かるので…あ、はい現場が第一ですよねすいません。